映画:弁護士(2013年) 2025年2月20日視聴 


映画概要:釜山に住むソン・ウソクは、高卒の身でありながらも税務弁護士として成功を収めていた。ある日ウソクは、昔なじみの食堂の息子ジヌが突然公安当局に逮捕され、裁判を控えているという相談を受ける。ウソクが拘置所へ様子を見に行くと、ジヌは非人道的な扱いを受けていた。それを見たウソクは、軍事政権下の強大な国家を相手にジヌの無罪を証明するため、自分の担当分野ではない弁護を引き受けることを決意する  ※AMAZON PRIME VIDEOより

感想:日本では余り認知度は高くないと思われるが、この映画は韓国の廬武鉉元大統領の物語りである。貧しい家に生まれ大学に行けず高卒の中で勉強を重ね弁護士になる。そして不動産等に通じた弁護士として経済的には成功するが無実の学生達が国家権力による拷問を受ける姿を見て人権弁護士になっていく。これが起こったのは1980年代である。私自身は大学時代であり日本の大学生活と韓国の大学生活は全く異なっている。日本でも学生運動はあるにはったが、1970年の日米安保をピークに学生運動は下火になり1980年代には一部の学生を除き、目立った活動はなかった。一方韓国では軍事独裁政権が政治権力を有しており学生達が自分の命をかけて民主主義の実現に向けて学生運動を行っていた。この映画の中で拷問のシーンがあるが、これは決してドラマだけの話ではなく現実であった事を再現している。日本では大学生が学生時代を楽しく自由に青春を謳歌していた時代、隣の国では拷問が戦前の日本の様に行われていた。これを自分自身最近知り、大変驚いた。学生時代友人とテレビで韓国の学生運動の姿を見て日本を真似していると話をした事を記憶しているが、本当の姿は全く異なり80年代の韓国では軍事独裁政権に反対して命をかけた学生運動を韓国全土で行っていたのである。多くの若者が社会を変えなくては自分の祖国に将来はないと真剣に考え、自分の人生・自分の幸せをかけて闘った。学生達と彼らを支える弁護士をはじめとする心ある人々の物語である。その真実の姿を教えてくれる本映画は、ソン・ガンホ主演の見るに価値ある映画と言える。

コメント