ストレスフリー超大全  樺沢紫苑 2020年7月

はじめに

 ストレスには良いストレスと悪いストレスがある。適度な緊張感は自分を高めてくれる。これは、良いストレス。脳を活性化させ集中力を研ぎ澄ませてくれ。悪いストレスは、過度なストレスを感じ続ける事で、寝てもストレスが消えない、次の日にストレスが持ち越される、これが悪いストレスである。ストレスフリーとは、耐え忍ぶ人ではなく、しなやかにうけながす様な人である。自分の考え方を少し帰るだけでストレスをしなやかに受け止める事ができる様になる。ストレスを感じやすい「人間関係」「プライベート」「仕事」「健康」「メンタル」の5つのテーマに対して、科学的なファクトと「今すぐにできるTo Do」を明確化していく。メンタルで自殺する人をzeroにする、これが樺沢紫苑さんのビジョンである。
本書の特徴は3つあり、第1は90%の悩みは過去の繰り返しである。対処方法は既にあり、やるかやらないかは自分次第であるという事である。第2は、「To Do」に拘るという事である。第3は実際に効果のあった対処方法だけを集めていると言う事である。
基本1  不安を行動で取り除く
 不安は脳内でノルアドレナリンの分泌で発生する現状である。ノルアドレナリンの分泌は、敵に面していて、「戦うか?逃げるか?」という状態で、ぼーっとできる状態ではない。敵に面していて、とっとと行動しろ!と自分を猛烈に促している物質がノルアドレナリンである。ノルアドレナリンがでている時は、行動(アウトプットする)のである。何もしない事が、最も悪い対処方法である。アウトプットとは、話す、相談する、書き出す、日記を書くなどてある。友達とのおしゃべりはとてもストレス解消になる。日記をつける事で、頭の中が整理され自己洞察力がアップする。身体を動かす事もストレス解消に繋がる。
基本2 自力で解決できるようになる
悩みとは、何かの苦しみに囚われ同じ考えが堂々巡りする状況である。この悩みを解決るすには、「自力or他人の力を借りる」対応方法を知る、その後、To Do で行動計画を立案する事である。
「悩み」を「ToDo」に置き換える為に、以下の4つのステップを踏む。第1に悩みを文章にして書く。これにより、悩みに対して客観性を最も事が可能になり、自己洞察が深まる。2つめは対処方法を専門的な本を使い調査し具体的な対処方法を3つ見つける。3つ目は、最低1〜2週間この3つの対処方法をやってみる。この時の注意点はできそうなToDoになるまで噛み砕く事である。4つめはフィードバックする。フィードバック方法1は、上手くいっていない理由を3つかく。フィードバック方法2は、上手くいっている理由を3つ書く。フィードバック方法3は、次のToDoを3つ書く。これらの対応を1週間かけて実施し、3週間程度継続する。
基本3 他人の力を上手に借りる
自分1人で解決できない場合は他人に相談しよう。他人の力を借りて現状を改善しよう。
ファクト① 日本人は相談できない。相談したら相手に心配をかけてしまうと思い込んで相談しない場合が多い。
ファクト② 「相談しても意味がない」と言う誤り。問題が解決しない限り悩みは解決しないか?と言うと、それは誤りである。悩む事で困っているのはある事象によって不安やストレスを感じている事が悩みであるので問題解決が唯一の回答ではない。
相談のメリット1 ガス抜き
相談のメリット2 不安の減少
相談のメリット3 悩みの整理
相談のメリット4 言語化
相談のメリット5 解決法の発見
相談のメリット6 プロのアドバイス

言葉にして他の人に自分の悩みを相談する段階で悩みは整理される。また、他人に話をする事でストレスが減り問題点がハッカリする。
この相談を可能な物にする為に3つのToDoを示す。
1つめは「相談できる人を探す」
パートナーや友人との関係を日頃から良好な物にしておく。
2つめは、何か大きな決断をする前に相談する。会社をやめるなら上司に相談する。妻に相談する。
3つめは、「相談窓口」を利用する。自治体には相談窓口が設置されている。人は頼られると嬉しく思う。誰かに相談する事は恥ずかしい事ではないと自分が思う事が第1に大切である。
基本4 生活を整えてちゃんと生きる
乱れた生活はうつ病の素である。規則正しい生活をする事。昼は交感神経か優位、夜は副交感神経が優位。夜ぐっすり眠る事は大変重要である。規則正しい生活をする為に実際する3つの習慣がある。1つめは睡眠。最低でも6時間の睡眠をとる事。2つめは運動。週150分以上の有酸素運動をする事。運動する事で、セロトニンが分泌される、睡眠の質が改善される、ストレスホルモンが低下される、脳の神経を成長させる物質BDNFが分泌される等のメリットあり。3つめは食事。3食バランスよく食べること。また、よく噛んで食べる事。10〜15分の咀嚼でセロトニンを活性化される事ができる。日本食はうつ病に効果的である。味噌汁、青魚、豆やわかめ、発酵食品等が効果的である。
基本5 最高のモーニングルーティーン「朝散歩」する
朝散歩がメンタル疾患によい理由は、セロトニンの活性化、体内時計のリセット、ビタミンD生成である。セロトニンは、セロトニンが不足するとうつ病になってしまう脳内物質で「朝日を浴びる」「リズム運動」「咀嚼」によって活性化される。セロトニンが活性化すると清々しい気分となり意欲がアップし仕事への集中力が向上する。セロトニンを材料に夕方からメラトニンが作られ夜の睡眠が深まる。体内時計のリセットには太陽の光を5分以上浴びる必要がある。ビタミンDは食物からも得られるが、紫外線からも精製される。15〜30分の朝散歩で必要なビタミンDが得られる。朝散歩を、更に効果的にするには朝散歩の後に朝食を食べる事である。脳の体内時計と身体の体内時計のズレを補正できる。また、散歩のテンポをリズミカルにすると更にセロトニンを活性化する事ができる。

第1章 他人ではなく「自分」を変える

 人間関係1 他人と自分を比べない方法
誰でも他人と比べてしまう。人と比べると確実に不幸になる。上方比較、下方比較共に比較する限り不幸になる。過去の自分との比較は問題なし。他人と比較するのではなく、観察するする事が大切である。また、妬むのではなく、リスペクトする事で、相手の良い部分をマネする事で自分を向上する事ができる
人間関係2 人の意見に流されない方法
他人の意見はバラバラで、それに従うと必ず不幸になる。常に自分の目標を決め一直線に進む必要あり。また、他人は全く責任を取らないので常に自分の「文字」「言葉」で表現し自分が何を望んでいるのか?をチェックすると良い。文章を書く事で何をしている時に楽しみを感じるのか?何に自信を持っているのか?客観的に自分を観察する事は大切である。自己洞察力を高めておく事。自分なりの最適解を準備しておく事。また、会議での同調圧力を回避する為、自分の意見を紙に書いておいて読むだけにしておく。これで、会議での同調圧力を回避できる。
人間関係3  「人を信頼できない」の対処法
出会ったばかりの初対面の関係は、どんな場合でも信頼関係は0である。信頼関係は時間をかけて築く物である。双方が力をら出し合って、レンガを積むように協力して構築するものである。これは時間がかかり3ヶ月を目安に考えておくと良い。自分の「心の扉」が閉じていると信頼関係は深まらない。心のノブは内側にしかなく、自分から心の扉を開かないと相手も開かない。勇気を持って心の扉を開けるのである。人間関係を構築する5はつのステップは、警戒、疑心、理解、共感、信頼の5ステップである。相手と自分の関係が今どの段階であるかを見極めながら進めると良い。
人間関係4 「信頼できる人」と「信頼できない人」を見分ける方法
信頼できる人はFOR YOU思考であり、他人や社会への貢献を中心に考える人である。信頼できない人はFOR ME思考であり、自分の利益ばかりに目が行く人である。GiverとTakerに分類すると、FOR YOU 思考はGiverであり、FOR ME思考はTakerである。最終的に成功する人はGiverであると言われている。Giverの中にも「自己犠牲」が強すぎると長続きしない。「他者利益の追求」と「自己利益の追求」の両立を図る必要あり。
人間関係5 嫌いな人と上手に付き合う方法
人間の脳の扁桃体は瞬時に危険を察知して赤信号を出す。この性質が人間に対しても行われた見た瞬間に好きか嫌いかを判断してしまう。この際、非言語的情報は大きな役割を持っている。自分が相手を好きなのか嫌いなのかは、相手にも伝わっていて隠す事はできない。嫌っている相手からは嫌われるという状況に陥り易い。この様な状況の中で嫌いな人を少なくする事は重要である。人を好きか嫌いの2択で分けるのではなく、好きと普通と嫌いの3水準に分けると嫌いな人は激減する。言語脳からの扁桃体への指令により、つまり、じっくり考える事により、嫌いを修正する事ができる。また、嫌いな人の良い点を7つかき出す事も改善に重要である。相手の良い点を7つ記載して嫌いを減少させておく。
人間関係6 「人から嫌われたくない」の対処法
10人の人がいたら、1人からは嫌われ、2人からは好かれる。残り7人は中立的立場である。これが自然な分布である。誰からも嫌われないとか、全員と気が会うという状況は不可能と考えた方が良い。この1:7:2の法則をイメージするだけで心がかなり救われる。相手の感情を変える事はできない。相手が自分を嫌っているかどうかを心配しても意味がない。自分の時間とエネルギーを人間関係に投入する際に、キーマン3人程度を想定しておく。このキーマンとの関係構築、改善に集中するのである。また、嫌われない自分をめざのではなく、人に好かれるように、気持ちの持ち方をコントロールする事が大切である。
人間関係7 本音は出すべきか、だすべきではないのか
対人関係の三重円の1番には家族や親友がいて、その外には友人や親戚がいて、その外には職場上の人間関係がある。本音を言うのは最も内側の家族や親友である。人間は誰でも仮面「ペルソナ」を被っている。会社員の仮面、上司の仮面、部下の仮面、夫の仮面等である。人間はこれらの仮面を上手く使い分けてストレスや他人からの攻撃を受け止めている。本音を話す時に気をつけてのは、感情反応である。感情反応を言葉にすると後悔する事が多い。感情部分を取り除き本音の論理の部分だけを話すと良い。
人間関係8 悪意を向けてくる人への対応法
自己の優位性をアピールする事を狙ってマウントをとってくる人がいる。これは自分への劣等感が強く相手を貶める事で自分の優位性を確認したいと思っている優越コンプレックスの強い人である。この様な人への対応の第1は、スルーである。会社の上司や先輩にはスルーができないので言葉を使い分ける。
へー、そへで?
それが何か?
わかりました。それで?
大丈夫です。ご心配なく。
そうですね。私もそう思います。
ありがとうございます。
なるほど、そう言う考えもありますね。
わかりました。検討させて頂きます。
アドバイス、本当にありがとうございます。
(笑顔で)それは良かったですね。
   などがある。
これでも上手く行かない場合は、適当に褒める。「すごいですね」「さすがですね」と返して相手の気持ちを良くしておく。更なる高等テクニックとしは、相手を味方にする事である。「ベンジャミン・フランクリン効果」と言われる。「人は他人を助けると好きになる」と言う原理で嫌いな人に敢えて頼み事を行い味方にするのである。闘争か?逃亡か?ではなく、味方にする、この発想での対応である。また、自分が、マウンティングされるのは舐められているからで、自己肯定感が低いからである。自己肯定感を高め、自信に溢れた状態にすればマウントしてくる人は少なくなる。自分自身を変革していくのである。
人間関係9 他人を変えるにはどうすればいいのか?
他人を変える事は、ほぼ不可能。ストレスが大きく他人を変えようとし続けると自分自身がその究極のストレスに負けてしまう。他人を変える前に自分が変わる事を選択する。アドラーの「課題の分離」が有効な考え方である。他者の課題に立ち入らない事。他人の課題に対して立ち入られたり、過剰に干渉されたりする事を大変嫌がる。YouメッセージとIメッセージがあり、Youメッセージは「あなた宿題をやりなさい」とあなたが主語。これに対し、Iメッセージは、「いつも時間を守人は、私は信頼できるなぁ」と言う主語が私である。YouメッセージではなくIメッセージで述べる事。このメッセージを繰り返し情報提供し続ける事である。客観的に中立的に情報を粘り強く発信する事が重要である。これは、半年を目線に粘る事である。人は他人に言われて行動する事を大変嫌がる。この対応としてIメッセージを客観的且つ中立的な情報を提供し続ける作戦に徹する事である。相手を信頼しリスペクトし相手を認め評価する。ポジティブな表現で肯定的に相手と関わる様に自分の行動を変える事が大切である。イソップ物語の北風ではなく太陽になる事が重要である。

第2章 「仲間」と「家族」が活力となる

プライベート 1 孤独のリスクを減らす
本当の友達がいないと思う人は、男性で40%、女性で30%にも及ぶ。楽しい事を共有できる友達がいると人生は2倍楽しい。孤独は健康への影響が大きい。誰かに悩みを相談できると心は癒され心の健康は保たれる。100人の友達が必要なのではない。1人の友達で良い。独友ならいない方がまし。コミュニティに参加すると友達ではなく、仲間を作る事ができる。友達と仲間との違いは、結びつきが友情なのか?コミュニティが持つ目的なのか?の違いである。友達しかいないと時に重い関係になるか、仲間であれは寂しくなく、且つ、精神的に楽である。
プライベート 2  大人になって友達を作る方法
 第1は、自分から心を開く事である。強張った表情は無意識に声をかけてくれるなのサインとなっている。話しかけ易い雰囲気を作る事が第1である。次は笑顔である。話しかけられて嬉しいという表情は笑顔である。第2は鏡を見て笑顔の練習をする事である。第3は自分から話しかける事である。雑談をする事である。雑談のテーマは共通の話題である。好きなアーティスト、ドラマ、音楽等、話しかけ共通の話題を探し雑談する事、これが第4である。次はコミュニティに属する事で共通の目的やテーマを有する事である。できるなら自分からコミュニティを作る事が望ましい。人間関係には知り合い、情報源、遊び仲間、協力者、仲間、癒やし手、相談相手、親友の8つのパタンがある。このうち、癒やし手、相談相手、親友は「強い絆」としてその数は15人程度である。親友は多くて3人である。自分にとっての強い絆の人を10人紙に書いてみよう。この大切な人との関係をメンテナンスする事にエネルギーを注ぐ事である。
プライベート3 SNS疲れを解決する方法
SNSは使い過ぎると不幸になる。適切な距離感が大切である。大切な人とだけに時間をかけると良い。「やらされ感」は「疲れ」の原因である。なんらかの制限をかける必要あり。例:1日1時間まで 等。SNSをインプットとして用いると時間をかけても直ぐに忘れてしまい無意味である。アウトプットとして活用すべきである。いいねを期待しすぎると、他人の承認を求める為の行動となり他人に迎合する生き方になる。承認を求め過ぎない事である。
プライベート4 相手に好意があるかどうかを知る方法
一瞬の非言語的メッセージを読み取る。相手の気持ちは「最初のリアクション」のテンションで決まる。最初の一瞬で扁桃体が反応しており、この部分を隠すのはトレーニングが必要である。2人での食事が断られたら、直ぐに諦めずに何度も複数人ででも会う事である。
プライベート5 親子問題に向き合う方法
親は単純に子供が心配なので小言を言う。小言に対して笑顔でありがとうと言う事が大切である。自分の事を気遣ってくれてありがとうと言う意味である。親のアドバイスは30年古い場合が多い。親のアドバイスに対しては、笑顔で「アドバイスありがとう」と言いながら、心の中では完全にスルーである。毒親に育てられると、対人関係が歪む、人を愛せなくなる、自立できなくなる、メンタル疾患を発病する、離婚する、自分も毒親になる等々の影響がでる。これに対する対処方法は、心の防御壁を築く、家族以外の人間関係を強化する、家を出る、自分の依存心を断ち切る、距離をおく等である。親からの電話をでない、メールの返信をずらす、頻度を減らす等である。
プライベート6 夫婦関係をよくしたい
成功の秘訣は健康と夫婦円満。夫婦円満であると、仕事にも集中できる。いくら仕事が厳しくても家に帰ってホットできたらストレスは低い。職場の人間関係をいくらよくしても転勤移動でリセットされる。夫婦での会話は重要である。夕食は家族で食べ会話する事に意義がある。食事中のスマフォやテレビや新聞は禁止する事。話をしている時は相手の目を見てアイコンタクトをする。食事はコミュニケーションに徹する。男性と女性では話題が異なる。夫は家庭に癒しを求めている。妻の話題がネガティヴであると敬遠したくなる。妻は話しをする事でストレスを発散している。夫はちゃんと話を聞くだけで夫婦関係は安泰になる。女性は自分の話しを納得いくまで聞いて貰えたら相手に愛されていると確信できる。不信感や猜疑心は消し飛ぶ。夫と妻の心理の違いも理解しておく必要がある。夫は理屈での説明を好み明確なアドバイスを求める。一方妻は何かの答えを求めているのではなく共感を求めている。感情をぶつけてはっきり言わずに本心を読み取ってくれる事を望んでいる。夫婦喧嘩は感謝的にならない事が大切で、怒りに対する反応の仕方が決定的な要因になる。「ネガティヴな感情を完全燃焼させる」カップルが長続きする。夫婦喧嘩はガス抜きで上手に仲直りできれば決して悪い事ではない。夫婦で日記を書き交換する事は価値がある。LINEでのやりとりも効果的である。毎日、「ありがとう」を言う感謝の気持ちを表に出す事が大切である
プライベート7 子育ての問題を乗り越えるには
約90%の親が子育てに負担を感じている。子育てはインプット、アウトプット、フィードバックの繰り返しである。子供の成績を上げるには生まれた後の「環境」「行動」「努力」によって脳がどの様に発達するかで決まる。適切な睡眠時間、運動、読書が重要である。睡眠は6〜13歳までは9〜13時間の睡眠が必要である。運動によってBDNFが脳内に分泌され脳の活性化に繋がる。読書は小さい頃から読書に馴染ませる事が大切である。また、夫婦で家事と育児は分担する必要がある。
プライベート8 介護の心配をなくす
親や夫や自分の介護の心配をする人は多い。要介護と健康の間にフレイルと言う段階がある。フレイルの基準は、体重減少(2〜3kg/6ヶ月)、疲れた顔をしている、歩行速度が低下(1.0m/秒)、握力低下、軽い運動をしていない等である。フレイルの段階では可逆的である。対処法によっては健康に戻る事ができる。予防法は1日20分の運動、バランスの良い食事、社会参加の3つである。運動は本人が嫌がっても運動させ健康に戻す事が家族の愛情と考えるべきである。食事は肉などのタンパク質を撮る事。社会参加は、孤独を防止し肉体的にも精神的にも良い影響をもたらす。骨折は、寝たきりへの特急券である。骨粗鬆症防止の為にも運動が重要である。フレイルはメンタル面への配慮も重要である。介護は全力で実施すると苦しい。6割の力で行う事。介護での休憩は継続という意味である非常に大切である。介護は孤独になると苦しいので家族の協力、介護者同士の繋がり、精神科医への相談等、1人で行わない事である。介護施設に入れる事は「見捨てる」のではなく十分なケアの為に「託する」のである。決して罪悪感を感じる必要はない。

第3章 「天職」をもとめて「やらされ仕事」から抜け出す

仕事1 職場の人間関係を解決する
職場の人間関係が悪いのは、それがスタンダードである。職場の人間関係に大学時代の友人レベルや部活の仲間の関係を求めてはいけない。仕事ができるコミュニケーションがでければOKである。小集団での活動は最大が8人程度である。これ以上では全員が密な関係にはできない。職場では仕事のキーマンと相談相手の2人にエネルギーを集中して人間関係を維持する。新しい職場にきたら直ぐに仲間に馴染める事はない。他の人達は警戒や疑心のレベルなので、これを脱皮するには仕事で成果を出し、一緒に修羅場を通り仲間に認めて貰うのである。仕事での成果が対価となり、初めて仲間として捉えて貰える。

仕事 2 「仕事が楽しくない」を乗り越える方法
特に新人は仕事が面白くない。これは当然である。楽しくなる為に、「守破離」を知る事である。「守」とは、仕事の基本を覚え習った仕事を基本通り実行する段階である。「破」は先輩の真似をする段階で習った事以外にも勉強し新しい仕事にもチャレンジする段階である。「離」は自分流のやり方で自分で決断する段階で自分から提案したりアイデアを出したりする。やはく守破離のステップを踏んで自分流のやり方で仕事が出来る様にする事である。「守」は楽しい期間ではない。仕事にとよるが、この期間は3年と考えておくと良い。医者の様な専門性の高い場合は5年、工芸の職人なら10年かかるかもしれない。しかし、「守」の期間でも自己流のアレンジは可能で創意工夫という「破」のエッセンスを積極的に取り入れて楽しさを作る事が出来る。「やらされ感」は地獄で「自発性」こそが天国である。自分なりのアイデアや工夫を入れる事でドーパミン的な喜びを感じる事が出来る。会社を辞めたいと思った時、人間関係で辞めると次の職場も人間関係が悪い場合があり「転職難民」になる可能性がある。一通りの仕事を身に付けてから辞める事を考えるべきである。苦しい時は身に付けるスキルを身に付ける事に集中する事である。
仕事3 どうしても仕事を辞めたい時の対処法
会社を辞めたいと思う理由は、給料か安い、やり甲斐がない、企業の将来性に疑問、人間関係、長い拘束時間、等がある。変えられない理由なのか、変えられる理由なのかを選別する。この分析で辞めたい理由が変えられる可能性があるかを検討する必要がある。辞めたいと考えた時、上司に相談する事はダメ元でもやってみる価値がある。50%の確率で会社側から譲歩案を引き出す事ができている頭が混乱している中で、感情的、短絡的に判断すると後で後悔する場合も多い。転職で成功した人と失敗した人の双方から情報を得る事は価値がある。但し、劣悪な環境で働き続けると過労死する可能性があるので過労死のリスクがあると思ったら即座に辞める事も必要である。脳卒中やくも膜下出血になったら一生苦しむ可能性もある。厚生労働省によると労働者の60%は仕事に不安や悩みを持ち、過労死ラインで働いている人が6.9%あり、仕事を理由に自殺した人が2019年にて2018人いたと報告されている。自分自身の事であり最後は自分で冷静に判断して会社を辞めると決める必要があると言う事も頭に入れておく必要がある。
仕事4 自分の「天職」を見つける方法
天職とは自分にとって楽しい事、自分の強みを活かせる事、社会や共同体に貢献出来る事の3つが重なる領域が天職である。マズローの欲求5段階は、生理要求と安全要求がライスワーク(生きる為の仕事)、社会的要求と承認要求がライフワーク(その仕事が好きで認められ評価される状態)、5段階目が自己実現欲求であるライフワーク(天職)の段階である。もし今、天職にないなら、自分のコンフォートゾーンを出てプチチャレンジする価値がある。新しいジャンルの本を読む、異業種交流会に参加する、セミナーや講演会に参加する、やった事のない仕事をする等々の工夫をして自己を冷静に見つめる事が大切である。
仕事5 「人口知能に仕事を奪われる心配」を乗り越える
良いニュースと悪いニュースの2つがあると悪い方のニュースに人間は敏感に反応する。ネガティヴ本能の為である。ある事象に対して、中立と賛成と反対の3つの視点からの本を読んで冷静に判断することが大切である。余り本が出ていない場合は反対と賛成の読み方でも良い。人口知能で無くなる仕事と増える仕事の2種類があるが、全体としては仕事は増えると考えられる。どの様な場面になっても、アウトプット仕事に自分を導く必要がある。アウトプット仕事とは、能動的で自主性主体性のある状態である。一方インプット仕事は受身であり指示待ち、情報を発信せず受け取るのみの状態を言う。インプット仕事は評価されず、アウトプット仕事は評価される。ピーター・ドラッカーは、「仕事のアウトプットを中心に考えなくてはならない。技能や情報や知識は道具に過ぎない。」と述べている。
仕事6 仕事や勉強の集中力を高める方法
脳には「側坐核」という部分がありやる気を司っている。この部分にドーパミンが分泌されると人はやる気が出てくる。側坐核には暖機運転が必要で、やる気がでなくても先ず始めるのである。やる気は徐々に出てくる。パワーポーズによってやる気や自信をアップさせ緊張やストレスに強くする。パワーポーズとは、自分を大きく見せる事、両手を上げて堂々とする事、仁王立ちで胸を張る事、頭を前に突き出す事、等がある。パワーポーズをとるだけでテストロンが増加し、ストレスホルモンが低下しやる気がアップする。また、声に出す、又は、紙に書いて張り出す、等の宣言も効果的である。心理学の認知的不協和を作り出し自分自身がスタートせざるを得ない状態にする事も有効である。これらも上手く行かない場面は、計画を立案する、何かに書く事、テンションを上げる音楽を聞く事、スマフォ、ネットを切る事、仕事をしている振りをする事、自分なりのルーティーンを作る事、等がある。これでもダメな場面は、睡眠不足と判断して寝る事である。睡眠は6時間以上とる事である。脳は疲労した状態ではやる気が低下し集中力が上がらない。睡眠を確保し脳疲労の回復に努める事である。
仕事7 「仕事が覚えられない」の対処法
仕事ができない理由の第1は聞き方である。頭の中に入らない様なザル聞きの状態では聞いた内に入らない。ザル聞きを防止する方策がメモである。100%聞き、100%メモる。人間の記憶は2〜4週間で忘れる。次が100%実行するである。100%実行は無理と思うかもしれないが、言われと事を実行するだけなら簡単である。言った方は、確実にできると思っている。もし不明な部分があれば、質問する事である。簡単に「わかりました」と言わない事である。不明点を質問する事で明らかにして100%実行を達成するのである。これを部下に指導する事で、部下は確実に成長する。
仕事8 「評価されていない」「昇進できない」の対処法
人間は自分の事を20%高い評価を与える。これにより自分は会社に正当に評価されていないと感じる。自分が評価されない本質的な問題は実力不足である。この原因は勉強不足である。会社のマニュアルを読む、会社の研修に参加す、上司先輩の指導を履行する等はやって当たり前で勉強には入らない。自分で本を選び、内容を理解してはじめて他人に比べて有効な付加価値と言える勉強の習得である。
仕事9  本業とは別に「副業」を持つ
労働厚生省と副業が必要とのスタンスに変わった。老後2000万円問題も副業で、月4000円あれば解決出来る問題である。お金だけてなく「生き甲斐」「やり甲斐」の為にも副業は有効である
仕事 10 「お金の不安」を取り除く方法
日本人の貯蓄額は平均値ではなく中央値で考えるべきである。また、収入は700〜800万円までは幸福度は比例するが、その後は幸福度は飽和する。所得や社会的地位や物なのど地位財は幸福度の持続性が余りなく程なく慣れてしまう。比べて健康や自主性や帰属意識や良質な環境や自由、愛情などの非地位財な幸福度の持続性が期待できる。お金だけでは人間は幸福になれず健康や人との繋がりによって幸福を感じるのである。お金持ちになるには企業と投資しかない。投資はキチンと勉強してから少額からはじめるべきである。これらよりも大きなリターンを生むのが、自分自身への投資である。スポーツジムにいき健康を維持する事、人に会い人間関係を深める、本を読む、語学学習、海外旅行、美容、在宅サービス等々、自分への投資を継続的に実施する事、深い幸福を感じるのである。

第4章 「疲れない体」を手に入れる

健康 1 睡眠不足を解消する
日本人の働き盛りの2〜3人に1人は睡眠不足である。睡眠不足は喫煙よりも健康に悪いとのしてきもある。具体的に睡眠不足のディメリットを挙げる。病気になり寿命が短くなる。集中力が低下して仕事のパフォーマンスが下がる。睡眠不足の人は3〜50%の能力で毎日仕事をしている事になる。太り易くなる。睡眠不足の状態では食欲増進のグレリンと言うフォルモンが分泌され食欲が旺盛になるだけでなく、糖分やジャンクフードを摂りたくなり体重が増えていく。1日に必要な睡眠は7時間である。6.5〜7.0時間の睡眠をとる人が最も死亡の危険率が低かった。1週間だけ睡眠を1時間増やして見ると脳の機能が改善するので試すと良い。睡眠は質と量の双方が大切である睡眠を深めるには、寝る前にブルーライトを見ない事や就寝2時間前には飲酒、食事を控えるも良い。睡眠2時間以内の食事も食事により成長ホルモンがでなくなる。食事が血糖値を上げ、その結果、成長ホルモンがでずいい睡眠にならなくなる。また、興奮系娯楽を止める事である。ゲームや映画やドラマを見る事をやめリラックスした状態を作り睡眠に入る事である。これらにより深い良質な睡眠が得られる。
健康 2 睡眠の質をさらに上げる方法
眠れないという状態は健康と病気の中間で人間に備わっている自然治癒力が低下している状態である。睡眠を改善する方法として深い眠りに入る為、身体の深部温度を下げる事が大切で、その為、就寝の2時間以上前に入浴し、温度は40度入浴時間は15分を目安にすると良い。また、運動も重要で40〜60分以上の中程度の運動を週二回以上行う事である。寝る際の照明と温度も大切でまっくらにして深部温度か下がる様に、なつは25〜26℃、冬は18〜19℃にすると良い。また、寝る前の2時間はリラックスする事である。
健康 3 運動不足の対処方法
運動不足になると糖尿病やがんや認知症の確率が高くなる。運動をすると身体への良い影響だけでなく頭が良くなる事や仕事の集中力が増す等のメリットがある。運動はまとまった時間でなくても、隙間の時間の活用でも効果的である。早足での通勤、早足での階段、だったままでのスクワット、外食ランチ、家事等である。ちょっとした工夫で必要な運動量を確保する事が可能である。
健康 4 理想的な運動を継続する方法
理想的な運動とは、①中程度の運動を45〜60分、週2回以上する事である。②有酸素運動と筋トレを組み合わせる事である。③複雑で頭を使う運動である。④ほどほどにしていることである。この4つが理想的な運動である。
中程度の運動を45〜60分、週2回以上する事により成長ホルモンが分泌され脂肪燃焼、睡眠の質向上 疲労回復、免疫力アップアップ等である。有酸素運動を30分する事で脂肪を燃焼させる。無酸素運動で筋肉や骨を作る。有酸素運動と無酸素運動の組み合わせで更に効果が上がる。更により効果を上げるには、頭を使った運動をする事である。ジムでのマシンでのウォーキングではなく外の景色を楽しみながら行うウォーキングの方が効果的である。また、運動量は多ければ良いと言う物ではなくほどほどの量にしておく事も大切である。運動は継続が本当に大切であるが、続かない人が多いのも事実である。これを解決するには、自分にあった種目(1人で行う種目、みんなで行う種目、競い合いながらの種目)を探して楽しみながら運動する事である。夫婦や友達と一緒にする運動も継続性と言う観点で有効である。そして運動が終了した際に、「今日もスッキリした」「いい汗をかけた」等、ハッキリと声に出す事も大切である。
健康 5 本当に健康にいい食べ物はなにか?
白米よりも玄米、肉よりも魚、バターよりもオリーブオイル、間食にナッツ、これが代表的な健康に良い食べ物である。玄米は完全栄養食と呼ばれる。通常の白米よりも硬い為、水を20〜30%多く入れる、一晩吸水させると美味しく食べる事ができる。糖質は取りすぎても少な過ぎても健康に害をもたらす。特に悪い糖質は飲料水である缶コーヒーやコーラ等の清涼飲料水、ジュースである。沢山の砂糖が入っており、且つ、液体の為、吸収が早く一気に血糖値が上昇してしまう。また、糖質の入ったお菓子も良くない。主食としては、白い炭水化物ではなく茶色い炭水化物、白米てはなく玄米、白いパンではなく茶色のパンを選択すると健康的である。間食としては、脳への栄養補給といて有効でひと握りのナッツが良い。サプリメントは効果的でないとの説もあるが、脳のパフォーマンスを上げるには神経ビタミンであるビタミンB6、ビタミンB12が有効であり、不足しがちなビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、カルシウム、食物繊維をとる為、サプリメントで補う事も価値がある。
健康 6 健康的に痩せる方法
BMI22が標準と言われているが、長寿という観点では、日本アジアでは24〜27、欧米では25〜29が良いとの結果が出ている。プチ肥満の方が健康なのである。医学的には「体脂肪=免疫力」である。プチ肥満と行っても筋肉リッチのプチ肥満と脂肪リッチのプチ肥満では健康に差がある。肥満と運動不足を比べと運動不足の方が余程健康に良くない。食事も3食食べるのを基本として生活習慣を作った方が良い。特に朝食は、「体内時計のリセット」「副交感神経神経から交換神経への切替」「セロトニンのスィッチオン」に有効である。簡単で効果的なダイエットとして、良く噛んで食べるが挙げられる。これにより吸収と血糖値の急激な上昇を抑制する事ができる。一口30回噛んで食べるのを目標にすると良い。
健康 7  嗜好品とうまく付き合う方法
タバコは身体に悪いので禁煙補助薬を使ってでも禁煙する事である。お酒は少量なら健康に良いと言われて来たが、効果があるのは虚血性疾患や脳梗塞や2型糖尿病等の限定された疾患に対してであり全体としてはお酒は飲まない事が最良である。飲べば飲む程、健康には悪いと言われる。量であるが、ビールなら500ml、日本酒なら1合、チューハイなら350mlが健康への害が少ない料である。また、毎日お酒を飲まない事。肝臓が休む期間がない事で各種の機能が低下するのである。週2日はお酒を飲まない日にする事である。飲酒はメンタル疾患にも悪い影響を持っている。鬱病気、自殺等の確率を高めている。お酒はストレス発散効果があると思われているが、実は逆である。鬱病に突き進んでいると思った方が良い。正しいお酒の飲み方は、量が多くなるので家飲みを控え、外で楽しく友人と飲む事である。楽しく会話する事は健康にとても良い。コーヒーやお茶は抗酸化物質が含まれ健康にとても良い。コーヒーによって脂肪率、ガンリ、糖尿病、鬱、白内障、アルツハイマー等のリスクを低下してくれる。1日4杯以上での効果確認のデータが多い。また、緑茶の効果も大きく1日4杯以上飲む人は1杯以下の人よりも鬱病リスクが、半分になると言う結果がある。サプリメントとしてはテアニンやカテキンが有名で、テアニンは睡眠改善、カテキンは血糖値抑制に効果的である。コーヒーやお茶にはカフェインが含まれていて睡眠の邪魔になるので14:00以降は取らない方が良い。コーヒーも砂糖を入れずに飲むのが良く砂糖の量は極少量にする必要がある。カフェインに弱い体質の人もいるので、強いる事は控える事である。

第5章 心を整え、「新しい自分」にアップデートする

メンタル1 自分を変えるにはどうすれば良いのか
自分の性格に不満な人は多い。性格を変えるのは難しいが、行動を変える事で結果として性格を変える方法がある。内向的な性格を外交的にするには、朝笑顔で挨拶する事である。次は、意見を求められた際、最初に挙手して意見を述べるのである。そして初対面の人に自分から質問をする、これらの行動を通して自分の性格を変えて行くのである。また、自分の短所を修正するのではなく、長所を伸ばす作戦も有効である。他人には短所の改善は見えにくいが、長所は見えやすので効果的である。自分をポジティブにする事は有効であり、これを達成するには毎日のポジティブ日記が良い。眠りに着く15分前が記憶に残りやすいので、1日の中であったポジティブな出来事を思い出し記録に残す。この活動の継続によりポジティブなマインドを熟成する事ができる。これは、認知行動療法の基本をシンプルに実行している内容である。
メンタル2 自己肯定感を高める方法
自己肯定感を高めると言う事は、自分の可能性を信じ自分はできるんだと言う自信を持ち肯定的になる事であり、反対の事はとしては、自己否定感がある。自己否定感は何をしても、どうせ自分はうまく行かないと否定的に自分を捉えてしまう事である。あるがままの自分を受け入れる。これを自己受容と言う。今のままの自分を受け入れる事が、自己肯定感のスタートである。これを達成するには、自己受容の4行日記をつける事である。初めの1行はネガティヴであるが、フィードバックで自分を認めるのである。例として、「上司に怒られた。」が、初めのネガティヴ行、次のフィードバックが「誰でもミスする事はある。今の自分でOK」である。この後にポジティブな3行日記を書くのである。自信を持つ事は大変重要であるが、自信は自然に身につく物ではなく、自己肯定感×経験の結果として得られる物である。自己否定感から脱却し自己受容のステップに入り、次に自己肯定感を高めつつ、色々な経験をする事で自信を身に付けるのである。自己肯定感には6つの感がある。自尊感情、自己受容感、自己効力感、自己信頼感、自己決定感、自己有用感である。自己肯定的の大きなメリットとして、自己肯定感が高まると自信が付き「新しい事にチャレンジできる」様になる事である。
自尊感情:自己に価値があると思える感謝
自己受容感:自分をありのままに認める
自己効力感:自分にはできると思える
自己信頼感:自分を信じられる
自己決定感:自分で決定できる
自己有用感:何かの役にたっている

メンタル3 「緊張しやすい」の対処法
多くの人は、人前で話をする時、緊張する。過度な緊張は自分の実力を発揮できないので、緊張に対しては知識が必要である。先づ理解すべきは、適度な緊張はパフォーマンスを上げると言う事である。適度の緊張状態では、ノルアドレナリンが分泌され集中力が上がり判断力を高めてくれる。過度に緊張すると頭から真っ白になったり筋肉がこわばったりする。過度の緊張をなくす為の第1は、緊張して来た時に、ネガティヴな言葉を言わず、「パフォーマンスが上がって来た」と言うのである。緊張は失敗の兆候ではなく成功の兆候である。次は、睡眠である。睡眠不足の状態では交感神経のスイッチをオンにして「緊張の暴走状態」を自分で作っている様な物である。7時以上の睡眠を継続的にとる事である。次はセロトニンである。セロトニンが少ないと、ノルアドレナリンのコントロールがうまくいかず、暴走してしまう。セロトニンを増やすには朝散歩が効果的である。また、即効的に効く緊張緩和法として挙げられるのが、呼吸法である。正しい深呼吸をする事で副交感神経を優位にして緊急を軽減するのである。正しい呼吸とは大きく吸って、2倍以上の時間をかけて息を吐くのである。ここで注意すべきは吐く時間が吸う時間の2倍以上である事である。これにより副交感神経が優位になる。時計を見ながら実施する事である。その次は姿勢である。背筋を伸ばすのである。緊張している時は、前屈みになっている事が多い。背筋を伸ばし正しい深呼吸をするのである。最後は笑顔である。満面の笑みを浮かべる事で過度の緊張を消し去るのである。
メンタル4 怒りをコントロールする方法
怒りの感情は後々大きなトラブルになる可能性があるので取扱い注意である。冷静さを保つには、怒りの兆候を認識して怒りをコントロールする事である。第1には、「自分は怒っている」と呟くのである。これを3回繰り返す。怒りそうになっている自分を客観的に眺める事で冷静さを保つ事ができる。怒りの正体はアドレナリンの分泌と交感神経の興奮である。この2つをコントロールできれば怒りを鎮める事ができる。アドレナリン分泌のピークは怒りを発してから6秒後と言われている。最初の6秒をやり過ごせば、怒りは徐々に落ち着いていく。怒りを感じたら目の前の物をゆっくり順番に「机、蛍光灯、カレンダー、本棚、冷蔵庫、、、」と言う様に列挙する。これにより心は冷静さを取り戻す。怒りのピークは6秒であるが、イライラはもう少し長い。40秒が半減期なので、深呼吸によってこれを実現する。20サイクルの深呼吸なら2サイクル回す事で、40秒の経過を得る事ができる。40秒経てば、交感神経から副交感神経に切替わり冷静さを取り戻す事ができる。また、相手がいる場合は、素早く反論したくなるが、敢えて、ゆっくり話す事で自分の怒りもクールダウンする事ができる。同時に相手の怒りもクールダウンしていく。怒りの状態では、早口になる。これは、交感神経が優位になるにつれ呼吸が浅くなるからである。この時に、ゆっくり話す事で副交感神経を優位にさせるのである。相手がいる場合、売り言葉に買い言葉で大きなトラブルになるので、これを阻止する為にもゆっくり話すのである。普段の30%ダウンを目安に話すと良い。人間の脳は「ミラーニューロン」という神経細胞があり、相手のマネをする様に働きかけてくる。この事実を知った上で相手が怒りの状態でも、自分は冷静でいる事で、相手の冷静さを導くのである。
メンタル5 嫌な事を忘れる方法
何度も繰り返すと記憶は強化されるので繰り返したアウトプットは、嫌な事に対しては危険である。これに対する対応が、「一回ルール」である。最も信頼できる人に一回話をしてその後は話さない、アウトプットしない事が大切である。寝る前のポジティブ日記が効果的である。一件落着した案件は忘れるが、継続案件は記憶に保存される。如何に一件落着させるかが、分岐点である。賢者のワークと言う方式がこの問題に対して良い回答となっている。第1にA4の左のページに嫌な出来事を書く。ひたすら書き出す。次に一旦ノートを閉じ心を落ち着かせる。次にノートを開き「第3者の賢者」になったつもりで嫌な出来事に対してアドバイスをするのである。この際の客観性が重要で、自分の心の中で一件落着させ、記憶の中の優先順位を下げていくのである。
メンタル6 「うつっぽい」と思った時にすべき事
心の調子が悪いと思ったら、早めに病院にいくと良い。同じ状況で1年も過ごすと症状固定という状況に陥り、悪い状態が当たり前となり、回復するのに時間を要する。早めの受診が大切である。費用と時間は、数千円と2時間程度である。うつ病か否かの判断として、この1ヶ月、気分が落ち込む、憂鬱である、又は、物事に興味が持てない、心から楽しめないと感じる事があったら、精神科を受診すると良い。更に深ぼるには、1週間前と比べ症状が悪化している、又は、睡眠が悪化している、今が人生で最も調子が悪い、又は、会社や学校に行けないと言う質問が2項目以上に該当すれば、受診のサインである。
メンタル7 メンタル疾患への対処法
うつ病は、「心の風邪」ではなく、「心の骨折」の方が適切な例えである風邪は完治するが、骨生活主習慣に折は完全には治らず骨折の影響が残る事が多い。何度もうつ病になる場合が多く存在する。うつ病は受け入れる事が重要である。直そう直そうと頑張れば頑張る程、完治しないのである。うつ病は受け入れる事が大切である。受け入れ病気の事を考えなくなる事が病気を完治する近道である。完治よりと社会復帰を優先する事、病気になったのは会社、家族、自分のせいではない。今思うと病気前の働き方や生活習慣にむりがあった。病気になった事で、過去の事、これからの事をじっくり考えられた。主治医や看護師かよくしてくれた。家族に助けられる。友人や同僚の気遣いが嬉しい。最近「趣味の活動」をしたくなった。くよくよしていた自分がバカ見たいだ。この様に考えられる様になったら、うつ病から完治するのである。病気の前の元に戻るのは、正しくない。元に戻ったら同じ失敗を繰り返すのである。病気の原因をはらんだ自分に戻ってはいけないのである。もっとおおらかで余裕を持ってストレスを受け流せる自分に進化する必要がある。レジリエンス(心のしなやかさ)を身に付ける必要がある。病気が治る人は、病気を受け入れる事ができる。感謝の言葉が多い。笑顔が多い。小さな事にクヨクヨしない。人に気軽に相談する。今を生きている。症状の良くなった部分に注文している。1つの病院に継続して通院している。等の特徴がある。病気が治らないと考える人は、病院を帰る事を考えやすいが、病院を変えるのではなく「生活療法」に真剣に取り組むのである。この生活療法とは、1日7時間の睡眠、週150分の運動、朝散歩、禁酒禁煙である。心は身体の一部である。健康な身体があった上で初めて心も、安定するのである。身体が限界になるメンタルを支えられず崩れ落ちる。これが、メンタル疾患である。
メンタル8 発達障害かもしれないと思ったら
発達障害には、ADHD(注意欠陥多動性障害)とASD(自閉スペクトラム症)がある。発達障害は珍しい物ではないが、自分で診断する事は不可能である。発達障害は社会的、職業的に支障がなければ発達障害ではない。診断基準は医者が使う物で各自が診断して不安になる必要はない。ADHDは決して珍しい事ではなく症状を長所として活かす事を考える事に価値がある。多動はエネルギッシュ、集中できないは独創性がある等である。ADHDやASDに適した仕事に付けば大きな能力を発揮する事ができる。
メンタル9 自分はHSPかもしれないと思ったら
HSPとはハイリーセンシティブパーソンの意味で「神経伝達が過敏な人」と言う意味である。人口の20%の人が対処となる。HSPの特徴は、考えが複雑で深く考えてから行動する。刺激に敏感で疲れやすい。人の気持ちに振り回されやすい。あらゆる感覚が鋭い、の4つ項目があり、これら全てに当てはまった時、初めてHSPと分類される。人口の20%がこの性格にあたり、短所とするか、長所とするかは本人次第である。
メンタル10 認知症を予防する方法
認知症とその予備軍であるMCI(軽度認知障害)と正常の3水準がある。認知症には脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症の2つがある。アルツハイマー型認知症は「アミロイドベータ蛋白」という老廃物か神経細胞を殺す事である。これば、25年の月日を使うステップであり40代から特徴が始まる。この現象は運動と睡眠で予防する事ができる脳血管性認知症は高血圧、高脂肪症、肥満、糖尿病などの生活習慣病と強い相関がらある。運動と質の良い睡眠やよく考えられた食事が認知症やうつ病を予防するのである。具体的な予防法としては、第1はマインド食を取ることである。マインド食とは、緑黄色野菜、根菜類、ナッツ類、豆、ベリー、魚、全粒穀物、オリーブオイル、鶏肉、ワインである。良くないのは、赤みの肉、チーズ、バターマーガリン、スィーツ、ファストフードである。カレー、コーヒー、お茶も効果的である。第2は孤独にならない事である。孤独は認知症に大きな影響を持つ。3番目は、学び続ける事である。資格取得、語学学習、カルチャーセンター等で一生学び続ける事が認知症の予防に有効である。
メンタル11 「死にたい」と感じた時の対処法
自殺はある確率で発生している。自殺が生じる理由は、自殺念慮と自殺衝動の掛け算で決定される。自殺念慮とは、死にたい、辛いと思う事である。自殺衝動とは、今すぐ死にたいという強烈なエネルギーである。自殺する人としない人の違いは、自殺衝動と違いであり自殺衝動のピークは5〜10分程度であり、この段階で誰かに相談すれば、このピークを乗り越える事ができ自殺を止める事ができる。自殺防止には、本当に死にたいと思った時に、相談に乗ってあげられる環境を作ってあげられるかが分岐点である。また、お酒の影響も大変大きい。自殺する人は多くアルコールを日々大量のアルコールを飲んでいる生活している場合が多く、実際の自殺の場合も酔った勢いによって実行されてもいる。アルコールは危険である。これらも含め生活を整える事が自殺防止には有効である。脳科学的には、セロトニン濃度の低下の影響が大きく、対処法としては朝散歩、運動、睡眠が推奨される。

終章 精神科医がたどり着いた「とっておきの考え方」

生き方1 人生を楽しむ人になる方法
人生を楽しむには、素直さが共通点である。先入観にとらわれず、なんでもとりあえずやってみる。この楽観的な考え方が楽しい事、面白い事との出会いである。とりあえずなんでもやってみる、この考え方が人生を楽しんでいる人達の共通点である。これを実現する為には、コンフォートゾーンから一歩外に出る事である。無限に拡がる外の世界に勇気を持って足を踏み出す事で宝物を発見し手に入れる事ができる様になる。コンフォートゾーンの外に出る事は、困難な事、苦しい事に出会うかもしれない。しかし、外の世界に出る事は無限の可能性へのチャレンジである。これを実現する具体的方策として、ウィッシュリストを紹介している。別名、遊びのTODOリストである。この遊びのTODOリストを作ってスマフォに入れていつでも確認できる様にしておく。これによりアンテナを高くでき、関連情報を入手しやすくするのである。
生き方2 決断グセをつける
自分の人生の主導権を握れるかどうかは、決断できるかにかかっている。決断に迷うのは情報不足である事による。徹底的に情報を集めておけは、いざと言う時に確実に決断できる。これを実現するには、常に調べるクセを付ける事である。賛成派と反対派の両方の意見を整理して情報を入手しておく事が大切である。しかし、いくら情報を整理しても決断の基準がないと決定する事はできない。決断の基準が大切である。決断の基準として、3つ挙げられている。ワクワクする方を選ぶ。難しい方を選ぶ。ドラマチックな方を選ぶ、の3つである。ワクワクする方を選ぶ理由は、仮に失敗しても後悔しないからである。難しい方を選ぶ理由は、実現した際の達成感が高まる為である。これは自己の成長にも繋がる方法である。ドラマチックな方を選ぶ理由は、自分を映画の主人公として波瀾万丈でドラマチックだと思える方を選べば、より面白い人生を送れるからである。
生き方3 「生きる意味」を考え続ける
人間は何故生きるのか?この質問はいくら問いかけても回答はない。理由は、自分が生まれたという事実が先にあり、理由を後から付けているからである。カントも「人間は自分の存在意義を知る事はできない」と述べている。後から意味を付けても納得できる理由は絶対にできない。では、どの様に考えて生きるのか?それは、ビジョンである。生きる意味ではなく、自分はどの様になりたいのか?である。自分なりになりたい姿があり、こらを追い求めて行った最後に生きる意味を見出すのである。ビジョンとは、自分はこうなりたいと言う希望なので自分が好きに作る事ができる。変更や修正は、自分次第である。
生き方4 「死」について考える
どうせ死ぬのだから、「やりたい事をやろう」と思える事が大切である。コントロールできる事とコントロールできない事に分類して楽しい事を先延ばしにせず後悔しない1日を過ごす。この考えを元に全力で生きるのである。コントロールできない事の代表的な事柄は、永遠に生きる事である。永遠の若さと言い換えても良い。コントロールできない事に集中するのではなくコントロールできる事の中でどの様に生きるかが楽しく生きる人生を達成できるがどうかが決まっていく。「生」への感謝は「死への恐怖」を取り除いてくれる。人間の脳は同時にマルチタスクはできない。死への恐怖で脳を一杯にらするのではなく、「生への感謝」で脳を常に一杯にしておけば幸せな人生と言える。
生き方5 「幸せ」を手に入れる方法
幸福には3つありセロトニンとオキシトシンとドーパミンである。セロトニンは安らぎ、癒し、気持ちの幸福感である。オキシトシンは人との繋がりの幸福感である。感謝やありがとうといった感情にも関連している。ドーパミンは成功の幸せである。社会的成功、物資的成功がドーパミン的幸福感である。幸せになるには順序があり、第1はセロトニン的幸福、第2はオキシトシン的幸福、第3はドーパミン的幸福である。セロトニン的幸福は健康確保である。朝散歩やマインドフルネスや腹式呼吸や笑顔、睡眠により得られる。オキシトシン的幸福は、安定した人間関係の構築により得られる精神的安定さである。人間にとって孤独は単に寂しいと言う感情以上の影響を持つ。身体的健康、心の健全さと言う幸せへの寄与の大きさに十分考慮する必要がある。ドーパミン的な幸せは社会的成功を意味するが、セロトニン的幸せ、オキシトシン的幸せがあった上で実現を目指すべき内容で、その3段構成をよく理解する必要がある。

おわりに  これから、どう生きるのか?


エッセンス1 「それでいい」を口ぐせにする
「それでいい」は究極の自己肯定感である。この言葉を口ぐせになる程、自己肯定感を高める事が幸せになる、ストレスフリーになる近道である。
エッセンス2 今にフォーカス
過去に苛まれ、将来に不安を感じる。この考えを脱却する事が大切で、「今」に集中する事である。今を大切に今日やるべき事をやっていく、これを大切にしていく。
エッセンス3 自分で決めて「自分の人生」を生きる
他人の人生ではなく自分の人生を生きる。常に自分で決めるクセを付ける事である。
エッセンス4 自分を大切に生きる
自分自身、家族を大切に生きる。これはを犠牲にして仕事に集中しても結局は幸せには成れない。セロトニン的幸せ、オキシトシン的な幸せをよく考えた上で自分を大切にするのである。
エッセンス5 自分から心を開き「相談」する
自分で決める事は、自分が生きる上で大変重要であるが、第1には他人に相談する事である。自ら心を開き相談する。その結果、それらの情報を元に自分が決める。このステップを守る事である。
エッセンス6 必ず「動きながら」考える
不安や悩みを抱えている人は止まったまま考えている。ひたすら考え、前に進めなくなり状況は更に悪化する。大切な事は、TODOを作り「動きながら考える」事である。天職も人生の意味も振り返って後から分かる事である。成功者程、小さな動きを積み上げている
エッセンス7 毎日を「ポジティブ」に締めくくる
どんな内容も良い面悪い面の両方を持っている。どの様な視点で物を見るかによってポジティブにもネガティヴにもなる。どちらにフォーカスするかだけである。1日の終わりに、楽しかった事や良かった事に注目できる人が幸せな人生を送る事のできる人である。ポジティブ日記を付ける事は誰でもできる。1ヶ月続ける事で幸せになれる。幸福の基盤は不安や悩みのないストレスフリーな状態である。心や身体の健康を元に社会的な成功を目指す。これが、この本の最も言いたい事である。

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